夢なき企業には存在意義なし

「未来とシナリオなき事業は、すべて清算しなさい。企業は夢がなくてはならない。夢が現実のものになるとき、飛躍的に成長する。企業という言葉は創造と同義である。新しいものを世の中に提供していく力がなければ、企業である必要はない。」
(安藤百福の言葉より)

今や世界で年間1,064億食が消費されるまでになったインスタントラーメン。その開発者は日清食品の創業者である安藤百福氏。48歳の時に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」、61歳で世界初のカップ麺「カップヌードル」を世に出しました。若くして繊維業で大成功を収めた安藤百福氏は、たび重なる災難に見舞われ、47歳の時に妻子を抱えたまま無一文となります。それでも、「失ったのは財産だけ。その分、経験が血や肉となって身についた。」と再起に向けて立ち上がりました。そんな彼が着手したものが、インスタントラーメンでした。終戦後の食糧難を目の当たりにした安藤百福氏に力強い一歩を踏み出させたのは、人間にとって「食」は何より大切なものという考え方でした。こうした考え方は、今でも「食足世平(食が足りてこそ世の中が平和になる)」「食創為世(世の中のために食を創造する)」という日清食品の企業理念として受け継がれています。
大阪で事業を行なっていた頃には当時10代だった日本マクドナルドの創業者、藤田田氏(夢を持ちコツコツ追い続ける | C’s CollectIon株式会社 | 企業経営サポートの専門家 (cs-collection.co.jp))の一家との交流があり、藤田田氏の人生に安藤百福氏が大きな影響を与えたという説もあります。
「チキンラーメン」「カップヌードル」と日本と世界の食文化に大きな変革をもたらす開発を成し遂げた安藤百福氏は、この言葉を我々に大きな教訓として残してくれました。事業を行なう者はその事業に「夢」を注入し、その「夢」の実現に向けたシナリオを描かなくてはいけません。決して、昨日と同じ今日を過ごすのではなく、常に新たなものを創造し続けていくという強い信念を持ち、挑んでいこうではありませんか。
[ビジネスプロデューサー 古澤秀彦]

毎週月曜日、「夢創造実現Project」と題し、夢にまつわる名言からの学びを考えてまいります。